「誰か、鉛筆持ってる?」
会社で仕事をしている時に消しゴムが必要になったものの、私は消しゴムを持っていません。それで、持っていない文房具が必要な時に、いつも助けを求めるカスタマーサービス部に行って、その中の一人に消しゴムを持っているか聞きました。彼女は、「ウーン」と言いながら、机の中をごそごそ探し言ったのが、上の一言です。消しゴムが何で鉛筆になるかと言えば、原則として、アメリカ人はあまり鉛筆を使わないんですね。鉛筆を使わないから、消しゴムも使わない。だから、会社から支給される文房具にも、消しゴムはない。(だから、私も消しゴムを持っていない。)でも、その日は特別に消しゴムが必要なことが起こって、カスタマーサービス部に行ったのですが、アメリカ人は、消しゴムが必要な時、鉛筆の上に付いている、小さな消しゴムを使うのです。つまり、彼らにとって消しゴムとは、鉛筆についているおまけのような小さな消しゴムが、「正式な」消しゴムなのです。じゃあアメリカ人は書き物をする時、何を使うかといえば、「ボールペン」です。これは、会社の書類を書くだけじゃなくて、学校のテストでも同じです。大学の教授の中には、テストについて説明する時に、わざわざ、「ボールペン使用のこと」と、念押しする人もいます。機械が採点する選択形式の用紙を使う時は、鉛筆が必要なのですが、そういう時は、普段学生達が鉛筆を持っていないことを知っているので、学校側が学生のために鉛筆を用意するほどです。このためアメリカ人は、日本人のように「筆箱」なるものも、当然持っていません。私のアメリカ人のクラスメートは、皆バックパックにボールペンを1、2本入れているくらいでした。