2013年6月20日木曜日

They always wind up making me feel frumpy

「ここにいるといつも、自分がダサい女と感じるようになる」

 と言ったのは夫ではなく、私が毎回見るのを楽しみにしている「Pioneer Woman」という料理番組の主役、Ree Drummond。皆様、私の裏ブログ「ダービン家 地球を行く2」で、彼女のブログがリンクされてる事、知ってました?そう、右端の「外部リンク」にある“Confessions..."って書いてあるのが、それです。彼女のブログ名、長いのでそうなるようなのですが、正式名は“Confessions of the Pioneer Woman"なんだと思います。彼女は自らを「パイオニアウーマン」と呼び、オクラホマ州のド田舎に住んでます。夫は牛を飼う大牧場オーナーのカウボーイ。広々としたオクラホマの大牧場は、美しいですね。私は彼女はとても素敵な生活スタイルを持っていると思うのですが、(こう思うのは私一人ではないはずで、その証拠に“Pioneer Woman"は、彼女の自宅で収録されます)、今回、彼女が今日の一言をブログにつぶやいたのは、仕事でニューヨークに行き、おっしゃれ~なホテルに泊まったからなんです。ではまず、彼女のブログを見てください。

http://thepioneerwoman.com/homeandgarden/

とっても現代的で若いニューヨーカーって感じのホテル。そこに泊まれば、自分も「今時の若者!」って気分になっていいはずなのに、実際は、「自分がそこにそぐわず、自分の野暮ったさが目立つ」ってな気分になると言ってるのです。上から三番目の写真がホテルの中にいるパイオニアウーマン。確かに、飛行機に乗るのに一番快適な格好で来ました!ってな感じに見えますね。

 で、今日のポイントは、“frumpy"です。「ダサい女」と、私は訳しておきました。(ダサいって、今でも言うんでしょうかね?) 「ファッショナブルじゃない」ってな意味です。え?もちっと丁寧に文法、説明しろって?じゃあ、もう少し親切になると:

Theyってのは、今回の場合、その前に言ってる「Rooms」をさしてます。"wind up"は、「~の結果となる」って意味で、日本の英語イディオム本に載ってるんじゃないでしょうか。"make"はその後の目的語(me)を「~させる」で、全部を直訳すると、「それらの部屋は、いつも私をダサい女と感じさせる結果となる」ってなところです。ね、直訳すると、意味わかんないでしょ。この辺をサラリとわかり易い日本語に訳せるかどうかが、翻訳者になれるどうかの分かれ目です!意訳する事が立派な翻訳とは言えないと私は強く思いますが、原文に引きずられた訳は、やっぱ良くないですよ。「普段、日本語を話す時、自分はこんな話し方をしているか?」と、まず考えると良いと思います。英語から日本語に訳すときは、英文を理解した上で、頭の中を日本語ベースにしましょう。「日本の領土に居ながら、川岸の英文を見る」と言った心境ですかね。(私の言ってる意味がわかればの話ですが。)

なんで、私は、「ダサい女と感じさせられた」目的語、「Me」を主語にして訳しました。「感じさせられた」より、「感じた」方が、すっきりして良いじゃないですか。長い訳は良くありません。初心者は、どうしても「全部正しく訳さなければいけない」と、意固地になりがちなんですが、そうするとカクカクした、なんだか良くわからない文になってしまいます。正直な話、「“wind up"は、わざわざ訳さなくてもいいんじゃないの?」と思ったりします。(こんな事は、うちの会社のアメリカ人には言えませんが。誤解しそうなんで。)Roomsをさしている主語のTheyも、「ここに居ると」と、副詞句っぽく訳しました。そうそう、こうした語句の役割を状況によって変える能力は、翻訳者には必要だと思います。これは私の個人的な意見ですが。これができるかできないかで、訳の質がグ~ンと変わってきます。(と、訳を数多くこなすにつれて思うようになりました。)

と、本当はこんな翻訳者講座を開くつもりじゃなかったんですが、なんかかなり意訳した気分なので、自己弁護のつもりで書いときました。


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