2011年5月20日金曜日

Be careful

「気をつけてね」

 先日、夫と一階のファミリールームに居ると、「パーン」と音がします。「へ?銃声?」と思っていると、その後また、同じ間隔を開けて、「パーン、パーン」と、更に二回同じような音がしました。
「さっきの、銃声?」と私が聞くと、
「きっとそうだ」という夫。家の中に居ると、夜のひんやりした空気に響く音は、エコーがかかって、何だか良く分かりません。そして、しばらくすると、「キキキーッ」とすごい音を立てて、走り去る車の音!こりゃ、絶対銃声だったのに違い無い!という決断を下した私達は(というか、私は)「ねえ、警察に電話した方がいいんじゃない?」と、夫に言いました。しかし夫は、「いや~、今頃だれかが既に、電話かけてるよ。」と他人事。
「でもさ~、誰かが、撃たれて道端で倒れてるかもしれないよ。今すぐ救急車に乗せてあげたら、助かるかもしれないじゃない。だったら、助けに行かなきゃ。」
と私は、やる気満々になりました。
「ねえ、行ってもいい?」
とお許しを請うと、「ど~ぞ」という夫。しかし一応心配してくれたのか、今日の一言を言った模様です。
「ボジョも連れてった方がいいんじゃない?」と言うので、銃を持った犯人には、犬を連れてようが関係ないとは思いながらも、ボジョを連れて、車で町内パトロールに出かけました。運転席に着くと、前から「4つのライト」(!)が付いた車がやって来るではありませんか!普通、車には前に白いライトが二つだけなのに、四つもあって、後ろの二つはクルクル回っている!まるで宇宙人にでも出会ったような光景でしたが、何のことは無い、それは、私のように銃声を聞いたか、既に通報された警察官の車でした。犯人を捜しているようで、「ここで、警察官に声をかけようか」とも思いましたが、どうしたら良いのか分からず、彼らがライトを照らしながら、私の車の横を通り過ぎて行くときは、なんだか自分が犯人になって、隠れているような気分でした。(テレビ、見過ぎ!)そこで、ジーッと通り過ぎるのを待って、しばらくしてから、出発。音がしたのではないかと思われる方向に行きました。ゆっくり、道端に誰か倒れている人は居ないかと、観察したかったのに、後ろから車が来る!仕方が無いので、道の端に駐車すると、また前から警察の車がやって来ました!今度こそは、声をかけなきゃ!と思い、車の窓を開けて手を振ると、パトカーも私の車の横に止まりました。そこで、
「銃声を聞いたような気がするんですが」
と言うと、ああ、分かってるといった感じでした。なんだ、やっぱ知ってたんじゃん。と思い、警察官が調べてるんなら、素人の私が張り切って調査する必要も無いかと思い、すごすごと家に帰りました。この間、きっと2分くらい。私の冒険は、あっけなく終了しました。

 家に帰り、この武勇伝(?)を夫に伝えると、「銃声を聞いた時間は、11時半だったって言った?三発で、ライフルみたいだったって言った?その後、走り去った車はトラックだったって言った?」と私に詰め寄ります。「うっ、何も言ってない」と言うと、「じゃあ、何にも役に立ってないよ」と、私の行動を認めてくれません!そこで、ちょっと何かする度に、(例えばテレビがコマーシャルに移るとか、トイレに立つとか、キッチンから帰ってきてドアを開けた瞬間とか)、"Police ofiicer! Police officer! I heard gun shot!"という寸劇を、百回くらい繰り返しました。それも甲高い声で、その後はどさっと倒れる演技付き。(実際は、決してそんなドラマチックなものではなく、至って平穏な会話でした。)私達もそろそろ結婚五周年を迎えるのですが、そんな私に慣れている夫は、何事な無かったような顔で、無表情。私の扱いに慣れています。

 そして翌日の朝、気をつけて地元ニュースを見ていても、何も近所のことは出てきません。その夜、ボジョの散歩に出かけ、また音がした方向に行きました。辺りをきょろきょろ見渡し、「何か怪しいものは無いか」と探しましたが、結局、何も見つかりませんでした。あれは一体なんだったんだろう。警察が調べていたくらいだから、私達の気のせいではないはず。でも、今のところ、何も無かったようです。本当はその方が良いのは分かっているのですが、なんだか、もっと調査に乗り出したい気分。性格上、刑事にでもなったほうが良かったかもしれません。

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