2009年12月15日火曜日

I am a man


「私は、人間です」

 今回のドライブ旅行のハイライトの一つ、"National Civil Rights Museum at the Lorraine Motel"の展示からの引用です。この博物館は元々モーテルで、アメリカ公民権運動の指導者マーチン・ルーサー・キング牧師が射殺された場所です。彼は、黒人ゴミ回収者の待遇がひどいと、当時問題になっていたテネシー州メンフィスを訪れていました。白人の労働者は、一日分の給料が出たのに、黒人の労働者は全額貰えないといった問題があり、黒人労働者2名が事故で亡くなったのをきっかけに、大きな波紋を呼んでいたのでした。その黒人ゴミ回収者の労働条件の改善のため、メンフィスにやって来たキング牧師は、地元で黒人の公民権運動をしていた人の家でのディナーに行くため、モーテルの外の通路に出た時に、向かいの建物から発射された銃弾に倒れたのでした。キング牧師を自宅に招き、この時、唯一同じ場所にいたBilly Kylesは、「キング牧師がメンフィスにやって来たのは他でもない、ゴミ回収者を助けるためだったのです」と言っています。キング牧師はこの時、39歳。この世界的に有名な指導者の最後が「黒人のゴミ回収者を助けるため」だったというのは、彼の人生を凝縮しているように思います。なんと崇高な人生でしょうか。39年という短い間にキング牧師が成し遂げたことは、普通の人が何十年かかってもできないことだと思います。

 今回の引用"I am a man"は、キング牧師がメンフィスにやって来た時に行われたデモ行進の時の言葉です。今日のタイトルをクリックすると、キング牧師が射殺された背景を記録したドキュメント"The Witness From the Balcony of Room 306"のトレイラーが見れます。とても感動するドキュメントなので、ぜひ見て下さい!
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