2010年3月20日土曜日

セントルイス旧裁判所

皆様、「ダービン家 地球を行く」に、今回の旅を締めくくる「セントルイス旧裁判所」について、書きました。セントルイスには、旧裁判所よりも有名な場所がたくさんあるのですが、今回ここにどうしても行きたかったのは、「ドレッド・スコット対サンドフォード裁判」という、アメリカ裁判史上とても大切な裁判が、このセントルイス旧裁判所から始まったからです。ドレッド・スコットは、サンフォードの奴隷だったのですが、彼は彼自身と家族の自由を求めて、主人のサンフォードを裁判に訴えるのです。この当時、ドレッド・スコットのように、一旦自由州に出たことを理由に、自由を求めて裁判に訴える黒人奴隷は他にもおり、自由を勝ち取った人たちもいるのです。なので本来なら、彼も自由になるべきなのですが、11年かかってでた判決は「黒人は自由人も含め、アメリカ国民ではなく、よって裁判に訴えることはできない」「ドレッド・スコットは自由ではなく、奴隷である」「黒人は劣った人種で、白人社会に溶け込むことはできず、白人男性が持っている市民権を所有することはできない」など、人種差別極まりない判決を、連邦最高裁判所の裁判長が出しています。この判決に、北部人は怒りの声を上げ、奴隷制度廃止運動は高まり、リンカーン大統領は南北戦争を始めます。なので、このセントルイス旧裁判所はアメリカの歴史上、とても大切な場所だと思います。セントルイスを訪れるなら、絶対行くべき場所です!

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